早稲田実業対関西。昨日の引き分けの再試合。
8回裏に2ランホームランで3-2と逆転した関西。
しかし、9回の表の早稲田実業の攻撃。ランナー1塁。
打球はライトへ。普通に処理をすればシングルヒットで済む打球。
しかし関西のライトの選手は、1塁ランナーの動きが気になったのかボールを後逸してしまう。
打球の速度が速くフェンスのほうまで転がり、バッターランナーまでがホームインをし、4-3と再逆転を許してしまった。
正直、文字にするのも気の毒な程のシーン。
ライトの選手は、まだ試合が終わっていないのに泣き出してしまった。
一瞬、「泣くなぁ!!」と思った。9回裏の攻撃はまだあるのだ。昨日も同点に追いついたじゃないか、と。
しかし、彼の気持ちを推し量ると、なんとも言えない気持ちになった。
「今日こそ絶対勝つ!」と試合に臨み、チームメイトが逆転ホームランを放ち、その直後の24イニング目での痛恨のミス。申し訳ないというより自分が許せなかったのではないだろうか。エラーという形でチームを絶体絶命に追い込んでしまった事。「打球が守備範囲の遥か彼方に飛んでいった」というような仕方ない事ではなく、ミスで相手に試合の流れを与えてしまった事。
そりゃ、泣いてしまうかもなあ。
「泣くな」とあの瞬間に言って良いのは、チームメイトだけなのかもな。
実際、チェンジになってベンチに戻ってからも泣きじゃくるライトの選手に仲間達が励ましの声をかける姿を見てそう思った。
関西の攻撃。2アウトからフォアボールと奇跡的な内野安打で一打サヨナラのチャンスも、最後はキャッチャーフライで万事休す。
2日間にわたるベスト8をかけた試合は終わった。
両校の執念が空回りせずにしっかりと試合に表れた好ゲームだった。
まだ夏がある、って言い方はよくないね。
彼らの「春」は1回しかないんだから。
でも、彼らは今日の負けで、とんでもなく強くなるだろう。
チームとして、野球選手として、人として。
2-0とリードされた7回に、反撃ののろしとなるタイムリーを放ったのは君だ。
仲間はみんなわかってるよ。
今日からだ、今日からだよ。